良い点

白十字病院は、少人数制で丁寧な指導が受けられると評判の研修病院です。例年人気が高く、2025年度は募集人数が3名に減ったこともあり、倍率がさらに上がったようです。選考では、志望理由書と成績関連の書類を提出したうえで、短時間の小論文と面接が行われました。面接は緊張感がありつつも穏やかで、知識よりも人柄や今後の成長への意欲を見ている印象でした。CBTの成績が十分でなくても、現在どのように努力しているかを前向きに伝えることで、しっかり評価してもらえるようです。教育面では、指導医の先生方がとても熱心で、質問しやすく、現場での実践を通して学べる雰囲気があります。救急では先輩の先生と一緒に初期対応を経験でき、知識と実践力の両方をバランスよく身につけられます。1つの診療科につき研修医は1名という体制のため、症例にじっくり向き合うことができ、希望すれば福岡大学での研修も可能です。内視鏡や簡単な処置も上級医の指導のもとで挑戦できるなど、研修医の裁量が大きい点も特徴です。病院全体は清潔で明るく、職員の方々も落ち着いた雰囲気の方が多い印象でした。勤務はほぼ定時で終わり、当直明けの休みや有給もしっかり取れるなど、働きやすい環境が整っています。外科は福岡大学、内科は九州大学の医局に所属しており、それぞれの特色を学べる点も魅力です。給与や各種手当も充実しており、食堂の評判も良好で、学びと生活の両面でバランスの取れた病院だと感じました。

気になる点

白十字病院のデメリットとしてまず挙げられるのは、非常に倍率が高い点です。人気があるため、どれだけ準備をしても確実に合格できるとは限らず、選考はかなり狭き門だと感じました。少人数での研修という点も、人によって評価が分かれるところだと思います。手厚い指導を受けられる反面、同期が少なく刺激を受けにくい、相談相手が限られるといった面もあるかもしれません。また、扱う症例の幅という点では、大学病院のように重症例や希少疾患を多く経験できる環境ではありません。三次救急に興味がある人や、より専門的な症例を見たい人にはやや物足りなく感じる可能性があります。救急の受け入れ数もそれほど多くはなく、1年目から積極的にファーストタッチを担当したいタイプの人には少し合わないかもしれません。ただし、2年目以降はしっかり学べる機会もあるようなので、見学で現場の様子を確かめておくと良いと思います。さらに、小児科・産婦人科・精神科といった一部の診療科は院内での研修ができず、他施設に行く必要があります。そのため、これらの科を志望する場合にはあまり向いていない印象でした。とはいえ、全体的には教育体制や雰囲気が良い病院なので、志望科や求める研修スタイルとの相性をよく考えて選ぶことが大切だと思います。