▪︎ 口コミ
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気になる点
杏林大学付属病院での初期研修は、症例の幅広さや実践的な研修環境、温かい雰囲気など多くの魅力がある一方で、いくつかの点については事前に理解しておくことで、より良い準備ができると感じました。まず、救急の現場における初期研修医の担う役割が非常に大きく、多岐にわたる点が印象的でした。これは実力を養う上で非常に有益な反面、大学病院では研修医が行うことが多い入力や書類作業、オーダー出し、検体管理など「作業的な業務」も多いという印象を持たれる方もいるかもしれません。ただし、これはそれだけ初期研修医が「医療チームの中核を担っている証」とも言え、責任感や業務理解が深まる貴重な機会でもあります。理解しながら先生方の動きを読んで先回りして用意する能力などが身につくと思いました。研修医のうちに経験しておくことも大切ではないかと感じました。医療チーム全体で連携しながら進める中で、自らの役割を主体的に捉える意識が求められる環境であると感じました。「実際の臨床の流れを理解する上で必要な業務」として自然に受け入れられているようでした。自己完結型救急を掲げていらっしゃる分、一人一人の先生の仕事量や仕事範囲が多く、現場全体が忙しそうでした。その分、現場は活気も感じられる雰囲気も感じた。働き方に関しては日による波が大きいこともあるようです。診療科によっては日中に比較的時間に余裕がある場合もありますが、救急当直では深夜まで対応が続き、翌朝までほとんど眠れないこともありました。「忙しい日もあれば、比較的落ち着いている日もある」という状況は、柔軟に対応する姿勢が求められます。残業時間が多いと「強制休」扱いで休暇を取る制度があるようです。ただし、その分しっかり休養は確保されており、過労が続くような勤務にはならないよう配慮されている印象でした。お給料は、20万円台くらいですが、診療科の残業時間によって上下するようです。一人暮らしでマンションなどを借りるとややかつかつかもしれません。施設面では、建物の一部に年季を感じる部分があるとの声もありますが、清掃や整備が行き届いており、内装は清潔感が保たれています。当直室なども設備は整っており、休息を取る上で大きな支障はありませんでした。採用試験は、印象は人によってまちまちなようです。やや圧迫ぎみという印象を受けた先生も、優しかったという先生もいらっしゃいました。真剣に話を聞いてくださっているからこそ、内容に対する明確な答えが求められると感じました。杏林大学医学部付属病院は東京都三鷹市に位置しており、都心から少し離れた場所にあります。自然も多く、落ち着いた環境ではある一方で、交通の便に関しては一部の方にとってやや不便に感じられる可能性があります。最寄駅からは距離があり、バスの利用が必須となるため、朝の混雑や天候の影響を受けやすいのは事前に理解しておきたい点です。また、勤務時間帯が不規則になりやすい初期研修医にとって、深夜帯や早朝のアクセス手段が限られることは、人によっては検討材料となるかもしれません。また、車通勤を希望する場合は駐車場の料金がやや高額であるため、費用面を考慮する必要があります。寮も整備されていますが、人気が高く抽選となることもあるため、確実に入れるとは限らない点も留意が必要だと思いました。こうした立地に関する点は、都市部の病院と比較すると若干の不便さを感じることがある一方で、その分、落ち着いた環境で集中して研修に打ち込むことができるというメリットにもつながっていると思いました。
良い点
杏林大学医学部付属病院の初期研修は、非常に実践的かつ充実した教育体制が整っており、病院見学を通してその魅力を強く実感しました。まず、救急科においてはドクターヘリをはじめ、CT室・血管造影室・緊急手術室といった高度な医療設備がすべて救急救命センターに集約されていて、患者の状態や病態に応じて迅速に連携・活用されている点が大きな強みだと感じました。見学中も、複数の急変対応や緊急の処置が立て続けに行われていて、医療チームが高い密度で連携して対応している様子が印象的でした。初期研修医も、そうした現場に積極的に関与しており、上級医の指導のもとで動静脈採血や静脈路確保などの基本的手技にも実際に取り組んでいらっしゃいました。初療後のカンファレンスでは、チーム全体で患者情報を整理・共有する流れがみられました。上級医の先生方と一緒に考え、フィードバックしてもらいながら学びが得られるよい環境だと感じました。また、教育的な配慮も随所に見られ、各診療科や指導医の先生方が多忙な中でも、手技や症例の背景・意義をその場で丁寧に説明してくださるなど、初期研修医が「ただ動く」だけでなく、理解しながら現場に参加できる体制が整っていました。院内の雰囲気も非常に良く、指導医や上級医との距離が近く、困った時にすぐ相談できる安心感があるのも魅力です。初期研修医は、後期研修くらいの先生と関わり、教えてもらう機会が多そうです。また、研修医同士の関係も良好で、チームとして自然に協力し合う空気があり、医療現場にありがちなピリピリした雰囲気は感じませんでした。研修医室も広く、一人一人の席があり、リラックスもできるし、勉強や仕事もしやすい環境だと感じました。立地に関しても、東京都内にありながら、比較的落ち着いた住宅地に位置しており、病院周辺は静かで環境が良好です。最寄り駅からのアクセスはバスになりますが、吉祥寺に出れば総武線、中央線、井の頭線などが通っていて、お店も沢山あります。三鷹駅から通っている先生もいらっしゃいました。仙川駅に出れば、京王線があり、こちらも商店街などがあります。井の頭公園などの緑もあり、病院の敷地内も緑が多く、生活しやすく心が落ち着くエリアだと感じました。福利厚生についても、宿舎の整備や食堂の充実、院内売店やラウンジ設備など、日常の勤務を支えるインフラがしっかりしている印象を受けました。スタバやローソンもありました。キッチンカーが来ているのも特徴的だと思いました。曜日ごとに違うキッチンカーが2台ほど来てくれるようです。研修医の先生方はこちらで買われる方も多いようです。大学病院なので、敷地内に大きな図書館もあります。研修医の負担を減らし、学ぶことに集中できる環境作りが意識されている点も評価できます。さらに、杏林病院では目の前の患者さんの命にできる限りのことをして命をとりとめるという姿勢が医療者全体に共有されており、目の前の患者に真摯に向き合い、原因を追究しようとする文化が根付いているように感じました。これは、医療倫理やチームとしての責任感を学ぶ上でも非常に重要な価値観だと思います。総じて、杏林病院の初期研修は「自ら動きながらも、手厚い指導のもとで学べる」「症例数も設備も豊富で、実力を養える」「医療者としての誠実さやチームワークを大切にする」点が魅力であり、将来的にどの診療科へ進む場合にも土台となる力が身につくと感じました。杏林大学付属病院の初期研修では、初期研修医の裁量と責任の大きさ、そしてその中でしっかりと支えてくれる体制のバランスがいいと感じました。救急外来では一次・二次救急を広く受け入れており、ファーストタッチは初期研修医が担当するようです。プレゼンを通して上級医に相談しながら検査・処置方針を確認するスタイルですが、実際には上級医がこまめに様子を見に来てくださることも多く、決して放任されることはないようです。夜勤体制も特徴的で、1年目から日直・準夜・深夜を経験し、2年目には夜勤帯の独立性がさらに高まります。3年目以降の専攻医や7年目以上の上級医と共にバランスよくシフトを組み、安心感のある中で実践を積むことができます。また、研修医はチームで患者を受け持つ体制が基本であり、個人で抱え込むスタイルではないようです。必要な場面ではチーム内で柔軟に相談し合えることが、業務上の安心感や精神的な負担軽減にもつながっているようでした。実際、「困ったときは誰かが助けてくれる」「ドロップアウトはほぼいない」という声からも、良好な人間関係や温かい雰囲気が伝わってきました。病院内には研修医専用のスペースが設けられており、一人ひとりにデスクが割り当てられていて、半透明の仕切りで仕切られています。空間は賑やかで、スタッフの方と気さくに会話できるほど雰囲気が良く、こうした「些細なやり取り」にも温かい病院文化が表れていると感じました。当直明けはお昼頃には帰宅できることが多く、回復の時間も確保されていました。働き方や生活面についても、見学中に具体的な説明を受ける機会がありました。研修医の勤務スケジュールは2ヶ月前に希望のNG日を提出し、その後シフトが自動で組まれる仕組みで、基本的には他の研修医と調整しながら交換も可能とのことでした。忙しさは日によって波がありますが、診療科によっては比較的早めに帰宅できる日もあり、オンとオフのバランスを大切にできる環境であると感じました。休暇制度も特徴的で、残業時間が一定時間を超えると有給とは別に“強制休”として消化される仕組みになっており、実質的に有給を使い切れないほど休みはしっかり取れるとのことでした。この点は、ワークライフバランスを重視する学生にとって非常に大きな魅力となり得そうです。寮制度も整備されており、希望者が多く抽選になるほど人気があるようです。また、研修医の給料は手取りで20万円台程度とされており、科によって残業量にばらつきがあるものの、生活には十分な水準が保たれています。さらに、ローテーションの希望も柔軟に通りやすく、基本的には1人ずつ各診療科を回ります。特定の内科チームに偏らず、他のチームの活動も見られる仕組みになっており、横断的な学びが得やすい構成です。また、同時期にローテーションしている上級生と自然に関わる機会が多いようです。同期と内科で同じ診療科に当たることはあっても、チームは違うところに振り分けられることが多く、同期より上級医の先生と一緒に仕事をすることが多いようです。こうした「縦のつながり」も、研修を安心して進めるうえで大きな支えになっているようです。建物については、清掃が行き届いており、内装は清潔感があります。研修医用の当直室もベッドとテーブルが完備されており、必要な休息がしっかり取れる環境が整っていました。杏林大学付属病院では、2次救急に加え、3次救急の体制も非常に整っており、重症患者への対応が学べる貴重な環境が整備されています。3次救急のチームは2チームに分かれており、当番によって日替わりで病棟業務や病棟業務に加え急患対応を担当していました。病棟は約20床規模で、初期研修医もチームの一員として実務に参加しており、時間帯によっては初期研修医が急患の処置をする先生方の中で多数を占めることもあるなど、責任感と実践力が求められる場面もあります。特徴的なのは、杏林が「自己完結型の救急医療」を掲げている点です。ドクターヘリの運用やDMAT(災害派遣医療チーム)の派遣なども積極的で、実際に埼玉や奥多摩方面への出動もあり、週に3〜4回は稼働しているとのことでした。ドクターヘリの出動拠点としては、杏林病院のほか東海大学八王子病院などと連携しており、ヘリのあるところには常駐の医師が待機している体制がとられているそうです。見学時にも実際にヘリで運ばれてくる様子を見ることができ、そのスピード感とチーム連携の見事さに圧倒されました。また、熱傷センターも併設されており、特に冬場は重症熱傷症例が多く、全身熱傷や壊死性疾患などの高度で専門的な医療に触れられる点も大きな特徴だそうです。こうした重症例に実際に関わり、チームで治療計画を立てていく経験は、初期の段階から広い視野を持つ医師としての基礎を築くうえで非常に有益だと感じました。現場の雰囲気は非常に和やかで、患者対応の合間には次のケースについて談笑しながら相談していたり、バタバタと忙しい中にも温かさが感じられる空気が流れていました。杏林大学医学部付属病院の救急科では、まず救急科専門医としての基礎をしっかりと築いたのちに、数年間、他の医療機関へ赴いてサブスペシャリティ(内科・外科・麻酔・精神など)を取得される先生が多いとのことでした。このようなキャリアパスは、単に一つの診療科にとどまることなく、より幅広い医療の視点と対応力を培うための、非常に魅力的な仕組みであると感じました。救急医療の現場では、患者さんの状態や主訴が多岐にわたるため、「何科かわからない」症例に対応できる総合力と、深い専門知識の両方が求められると思います。そうした背景のなかで、救急科の専門医を取得した後に他院で専門性を深められた先生方のもとで学べるのは、深みのある判断や介入が身につくと思いました。実際、見学中にも、そうしたサブスペシャリティを持った先生方が、それぞれのバックグラウンドを活かしながら救急チーム内で活躍されており、非常に印象的でした。見学を通じて感じたもう一つの印象深い点は、研修医の方々のコミュニケーション能力の高さと雰囲気の良さです。明るく、話しかけやすい雰囲気を持つ方が多く、業務中の会話も丁寧で落ち着いており、患者さんやスタッフとの距離感も絶妙でした。採用の段階でも“コミュニケーションの質”を大切にされていることが感じられました。全体を通して、杏林病院の初期研修は「実力をつけられる」「支えがある」「自分らしく働ける」という3点がそろった、非常にバランスの取れた研修先であると感じました。