良い点

都内でも有数の救急搬送件数を誇る病院であり、ERでの経験値は圧倒的に積めると感じた。1次から3次まで断らない救急を掲げており、研修医がファーストタッチをする機会が非常に多い。Commondiseaseはもちろん、重症例にも初期から関われるため、手技や初期対応のスキルは間違いなく身につく環境である。見学時もひっきりなしに救急車が来ており、まさに「野戦病院」といった雰囲気で、急性期をバリバリやりたい人にはたまらない環境だろう。指導医の先生方は教育熱心な方が多く、忙しい中でもフィードバックをくれる体制があるようだ。特に救急科や総合診療科の先生方は研修医の教育に慣れており、放置されるようなことはなさそうだった。また、病院の建物が比較的新しいため、医局や研修医室などの設備がきれいで快適なのも良い点だ。研修医室の雰囲気は、同期だけでなく上級医とも垣根が低く、和気あいあいとしていた。給与水準も都内の市中病院の中では高めであり、生活には困らないレベル（具体的な額は伏せるが、研修医の先生は満足している様子だった）であることも魅力の一つ。

気になる点

良くも悪くも「ハイパー」な病院であることは覚悟しなければならない。救急の当直は非常に忙しく、基本的に寝られないと思った方がよいとの話だった。体力に自信がない人や、ワークライフバランスを重視したい人には少し厳しい環境かもしれない。研修医の先生方も「忙しいけれど充実している」と口を揃えていたが、疲労の色が見える場面もあった。診療科に関しては、メジャー科は非常に強いが、大学病院と比較するとマイナー科の症例数や専門医の数は少なめな印象を受けた。将来マイナー科を志望している場合、たすき掛けなどで大学での研修期間をうまく利用する必要があるかもしれない。また、人気病院であるため倍率が高く、マッチングの難易度は高い。見学者も非常に多いため、早めに動いてアピールする姿勢が必要だと感じた。