良い点

私が病院見学をさせていただいた日は、まさにこの病院の特徴である「救急搬送件数の多さ」が如実に現れており、見学の間中、ほとんど途切れることなく救急車が到着していました。そのため、病院全体に常に緊張感が漂い、医療スタッフがてきぱきと動いている姿からは、非常に活気のある、そして忙しさの中にも秩序が感じられる職場環境が印象的でした。特に注目したのは、初期研修医の先生方が救急のファーストタッチを担当していた点です。患者さんの状態を最初に評価し、必要な処置や検査を判断するという重要な役割を担いながらも、常に周囲の上級医や看護師と連携を取りながら、的確かつ迅速に対応されている様子が見受けられました。決して放任されているわけではなく、研修医が主導的に診療に関わりつつも、困ったときや判断に迷う場面ではすぐに上級医に相談し、適切なアドバイスを受けられる体制が整っているように感じました。そのため、多くの症例に触れる機会があると同時に、自ら考え、動き、学ぶことが求められる、非常に教育的で成長できる環境であると感じました。もちろん忙しさは否めませんが、その分、短期間で実践的な臨床力を身につけたいと考えている人にとっては、非常に魅力的な研修先になるのではないかと思います。また、毎朝と夕方には決まって回診が行われており、その中で研修医が自らの担当患者の状態を丁寧に報告し、今後の治療方針について上級医とディスカッションしている場面も見ることができました。こうした日々の積み重ねが、医師としての臨床判断力やチーム医療の意識を高めていくのだと実感しました。全体として、忙しい中にも教育体制がしっかりと整っており、研修医が能動的に学べる場が数多く用意されている病院であると感じました。自分から積極的に動いて学びたい、実地での経験を重ねて成長したいと考えている方にとっては、とても良い選択肢となる病院ではないかと思います。

気になる点

見学を通じて感じたのは、病院自体の建築がやや年季を感じさせる造りであるという点でした。外観や一部の共用スペースなどには、いわゆる「最新の医療施設」といった印象を与えるようなピカピカの設備はあまり見受けられませんでしたが、その一方で、病院内は非常に清潔に保たれており、物品や機材も整然と配置されていて、働く人たちが日常的に環境整備に意識を払っていることがうかがえました。特にナースステーションや処置室、研修医のデスク周辺などを見学した際には、机の上や備品棚に無駄なものが置かれておらず、動線もスムーズに設計されているように感じられ、忙しい中でも現場がきちんと機能している様子が伝わってきました。施設が新しくなくても、運用が行き届いていれば、ここまで快適な職場環境を維持できるのだと実感しました。設備に関しても同様で、特別に目を引く最新鋭の機器があるわけではありませんでしたが、日常診療を行う上で必要なものは一通り揃っており、特に不自由があるようには感じませんでした。むしろ、どの機器も丁寧に扱われている印象で、現場のスタッフが道具や設備を大切に使い、適切にメンテナンスされていることがうかがえました。また、電子カルテの使い心地については、実際に業務で使用している研修医の先生に率直な感想をお聞きしました。その際には、「特段使いやすいというわけではないけれど、大きな不便も感じない」といった趣旨のご回答をいただき、標準的な操作性なのだろうという印象を受けました。私自身が見学中に見せていただいた限りでは、画面構成がやや複雑で、情報の一覧性や視認性という面では多少見づらさを感じた場面もありましたが、慣れてしまえば業務に支障はないのではないかと思います。このように、建物自体は築年数が経っているものの、内装や設備はしっかりと維持・管理されており、現場のスタッフの丁寧な仕事ぶりや、医療環境への意識の高さが随所に感じられる病院でした。設備の新しさ以上に、実際に働く人たちの姿勢や工夫が、医療の質を支えているのだということを再認識できた見学となりました。