▪︎ 口コミ
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気になる点
一方で、いくつかの点については注意が必要だと感じました。特に感じたのは、日によって業務の波が激しく、疲弊感が強く出てしまうことがあるという点です。救急対応や入退院の件数が多い日には、研修医が一日中ほとんど休憩なく動き続けている場面もあり、実際に見学中に話を聞いた研修医の方も「やりがいはあるが、体力的にはかなりきついです」と率直に話してくださいました。個々のやる気に応じて任される裁量が広い一方で、上手く時間をコントロールしないと、業務に追われてしまう可能性もあるように感じました。また、教育体制は整っているとはいえ、積極性がないと埋もれてしまいやすい環境でもあるという印象を受けました。特に多くの症例が集中する救急外来では、研修医同士で担当する症例を割り振る必要がある場面もあり、遠慮していると実際の経験量に差が出る可能性があります。見学中も、積極的に上級医に話しかけている研修医と、やや引いている研修医とで得られる経験が違っている様子が見られました。自分から動く姿勢が問われる環境だと思います。
良い点
今回見学させていただいた病院は、地域の中核的な役割を担う医療機関で、急性期医療に特に力を入れていると事前に聞いていました。実際に病院を訪れてまず印象に残ったのは、職員の皆さんの動きの速さと、業務の流れの中にある一定の緊張感でした。朝の時間帯から救急搬送が立て続けにあり、スタッフの方々は常に患者さんの対応に追われていましたが、その中にも混乱は見られず、むしろ「慣れた緊張感」のようなものを感じることができました。施設としては、建物自体は数十年の歴史を感じさせる外観でしたが、内部は丁寧に管理されており、清掃や整理が行き届いていて、古さをマイナスに感じることはありませんでした。廊下やスタッフステーションも広々としており、動線がよく計算されている印象で、患者・職員双方にとってストレスが少ない設計だと思いました。待合室や診察室にも温かみのある色調が使われており、ハード面での工夫が感じられました。まず、研修医の教育体制が非常に印象的でした。見学中は複数の診療科を案内していただきましたが、どの科でも研修医が「ただ見ているだけ」で終わるのではなく、実際の診療に参加する機会が豊富にあることがわかりました。救急外来ではファーストタッチを任されている研修医が主訴から鑑別診断を立て、必要な検査を提案し、上級医に報告するという一連の流れを実際に見学することができ、実践を通じて学ぶことを重視している病院であると強く感じました。また、上級医の先生方の指導も丁寧で、忙しい中でも研修医の質問に耳を傾けたり、検査所見の読み方やマネジメントの考え方をその場で説明する姿が印象的でした。中には、わざわざ電子カルテの画面を研修医と一緒に見ながら、「この患者はこういう背景があるから、この数値が特に大事」と細かく教えている先生もおり、教育に対する熱意が感じられました。また、カンファレンスやモーニングレクチャーも定期的に実施されており、系統的な知識を補う機会も設けられているとのことです。こうした「現場で学ぶ教育」と「座学による振り返り」のバランスが取れている点も魅力的だと思いました。設備面では、電子カルテやPACS(画像診断システム)も比較的新しく、使いやすいUIが導入されているようでした。実際に研修医の先生がスムーズに操作している様子からも、業務の効率化が進んでいることがうかがえました。